静進ブログ

表現と俯瞰の重要性

2024年10月18日 12:29

 唐突ですが、最近気になるアニメがあります。現在NHKで放送されている「チ。―地球の運動について―」という番組をご存知でしょうか。舞台は15世紀のヨーロッパ、まだ「天動説」が真理とされていた時代です。「天動説」とは「地球が宇宙の中心であり、太陽やその他の天体の方が地球の周りを回っている」という考え方です。この「天動説」は、キリスト教会にとっては絶対の考え方であり、侵すことのできないものでした。それに異を唱える者は「異端者」として扱われ弾圧されるため、自らの考えを自由に発表することなど到底できない時代だったのです。この作品は漫画を原作としたフィクションであるようですが、そのあたりの不自由さが生々しく描かれています。中3生は、すでに社会で公民分野を学習していますね。「身体の自由」「表現の自由」「学問の自由」などの用語とともに、「自由が侵害されていた時代があって…」と字面で学んではいますが、我々現代人にはイメージしにくいもの。その事実の恐ろしさが秀逸に表現されており、個人的にはぜひ見てもらいたい作品です。

 

 さて本題です。我々は「思ったことを表現することがたやすい時代」に生きています。この日本では特に、ですね。そんな中で、「自分の思いを発信する」ことが学習面でも大きく求められるようになって、はや数年。英語でも国語でも、自分の立ち位置を明らかにした上で意見を述べる、その際に根拠を明らかにする、という論理的な主張を求められる場が本当に多くなってきていますね。大切なのは、自分の考え方や書いたものを客観的に見る、難しく言えば「俯瞰(ふかん)する」ことができているかどうか、ということです。知らず知らずのうちに主観が強くなってしまい客観性に欠ける、また書いた作文・文章の文脈のねじれに気づかない、というのはよくあることです。そこで、学生も社会人も、「他人に見てもらう・意見を求める」ことが必要になります。

 

 これから中1・中2生は定期テストを迎えます。中3生もですが、中3生にとっては実質的に最後の定期テストと言えるでしょう。加えて、中3生はこれから入試に立ち向かうにあたり「学習面」「精神面」「進路選択」と、あらゆる点で冷静な客観性が求められます。相談があればどんどん来て下さい。定期テストに向けて、正解かどうか判断が難しい問題の質問や添削もウエルカムです。